貨物の量や形状、品目、納期などお客さまのご要望にマッチする海上輸送サービスと各種付帯サービスを組み合わせ、世界各国との貿易を可能にします。

LCL 貨物

LCLとはLess Than Container Loadの略。荷主がコンテナ輸送を利用する場合、コンテナ単位(20フィートまたは40フィートコンテナ)で貨物がまとまるかどうかで、積載方法が異なります。その際、コンテナ一本分を満たせない小口貨物に対し、複数荷主の貨物を混載してコンテナ内の空間をシェアするのがLCLです。荷主等が船会社指定のコンテナフレートステーション(CFS;保税蔵置場) に持ち込み、仕向地別に他の貨物と混載されることから、「CFS貨物」とも呼ばれることもあります。CFS 持ち込みの際は、他の貨物との識別するため、必ずケースマークの貼付が求められます。また段積みできる状態での梱包も必須です。(段積み不可の場合は追加費用が発生致します。)

FCL 貨物

FCL、すなわち”Full Container Load“は、一つのコンテナを一つの荷主が全て使う輸送形態を指します。

例えば、あなたが食品工場を運営しており、その食品を海外に大量輸出したいとします。その食品を一つのコンテナに詰め込むことがFCL貨物です。または、あなたが自動車メーカーで、大量の車の部品を海外から輸入したいとします。その部品をコンテナ一杯に詰めて輸送するのもFCL貨物となります。

LCL貨物との最大の違いは、コンテナを一つの荷主が全て使うか(FCL)、それとも複数の荷主が共有するか(LCL)という点です。

FCL貨物の大きな利点は、荷物の安全性です。一つのコンテナが一つの荷主からの荷物だけで占められているため、他の荷物と混ざる心配や途中で開封されるリスクがほとんどありません。しかし、欠点もあります。それは、大量の荷物を送る必要があり、コンテナ全体を使わない場合でも全体の費用を支払う必要がある点です。

在来船

在来船は、その名前が示すように、古くからある船舶の形式で、特定の形状や構造を持つわけではなく、一般的には貨物を運ぶためのさまざまな船舶を指します。これらの船舶は、特定のタイプの貨物、例えば大量のバルク貨物(一括積み貨物)を運ぶために用いられます。コンテナー貨物とは異なり、在来船は貨物を特定のコンテナーに固定しないため、様々な形状や大きさの貨物を柔軟に運ぶことができます。

在来船の積み込みには時間と手間がかかることが多いです。それは、各貨物の形状や大きさ、重さにより、適切なバランスで船に積み込む必要があるからです。また、貨物を船から降ろすときにも、同様の注意が必要となります。

さて、日本からの在来船による輸出についてですが、大部分を占める商品は、電子統合回路とマイクロアセンブリ、半導体製造機械、自動車部品やアクセサリー、ブルドーザーやエクスカベーター、道路ローラーなどの重機です​​。これらの商品の中には、コンテナーに収めることが難しいものや、一括で大量に輸送する必要があるものも含まれています。そのため、在来船による輸出が重要な役割を果たしています。

なお、日本の船舶産業は、「三大」(NYKライン、MOL、”K”ライン)と呼ばれる海運会社と、今治造船やJMU、大島造船などの造船会社を中心に組織されています​​。これらの企業は、一部は国内の要求、一部は海外の需要に応えています。また、日本の船舶産業は、液化天然ガス(LNG)のバンカリング(船舶への燃料供給)の中心地となることを目指しており、海運会社やトヨタ、住友などの企業が政府関連企業と協力して、船舶へのLNG供給を専門とする新たな企業を設立しています​。

在来船は様々な形状や大きさの貨物を柔軟に運ぶことができ、特に大量の貨物を一度に運ぶことが必要な場合には、その利便性が発揮されます。

RORO船

RORO船(ロールオン・ロールオフ船)は、主に自動車やトラック、重機などの車両を輸送するために設計された特殊な船舶です。名前の「ロールオン・ロールオフ」は、その機能を象徴しています。つまり、車両が自分の車輪で船に「乗り上げる」(roll-on)し、「降りていく」(roll-off)ことができるということを意味しています。

RORO船は、一般的なコンテナ船とは異なり、貨物をパレットやコンテナに詰める必要がないため、積み込みや積み降ろしの時間を大幅に短縮することができます。また、自動車や重機など、大きな形状の貨物や自走可能な貨物を運ぶのに特に適しています。

船内は、巨大な駐車場のようになっており、車両が直接乗り入れて駐車することができます。これにより、損傷のリスクを最小限に抑えながら、大量の車両を効率的に輸送することが可能になります。また、船内のスペースを最大限に活用することができるため、一度に多くの貨物を運ぶことができます。

日本は自動車の大生産国であり、自動車は日本の主要な輸出品の一つです。そのため、RORO船は日本の輸出にとって非常に重要な役割を果たしています。RORO船を使用すれば、一度に大量の自動車を海外に輸送することが可能で、そのために特別に設計された船舶の使用は、時間とコストの大幅な節約をもたらします。